お返しは何がいい?




 * whiteday *




「ただいま〜・・・」
「あ、おかえり。意外と早かったのね」

帰ってきたばかりのエドとアルに、ウィンリィが振り向きざまに言った。

「早いも何も、早く買って来いって言ったのウィンリィじゃん」

エドが怒り気味の口調でウィンリィに言う。
ウィンリィはきょとんとしてそんな事言ったっけ?とエドに返す。

「・・・これここに置いとくぞ」

エドはそう言って持ってきた荷物を置いて、椅子に腰を下ろす。
 はぁ・・・とエドがため息をつき、その後、何かを思い出したように何か探し始めた。

「・・・どうしたの、エド」
「・・・どうしたの、兄さん」

ウィンリィとアルが声を揃えてエドに聞く。
 エドは、探している物が見つからないのか、立ち上がってあらゆるポケットの中を探し始めた。

「・・・兄さん、アレ、一緒に荷物の中入れてなかったっけ?」
「そうだった」

エドは、先ほど置いた荷物の中を探る。

「・・・あ、あった。ほい、ウィンリィ」
「僕からも」

二人から差し出されたのは、綺麗な桜色の紙包みに合わせて巻いたピンクのリボンが愛らしい小さな箱だ。

「あ、そっか。今日は・・・ホワイトデー・・・」

ウィンリィは小包を受け取って、少し振る。
 カシャカシャと中で音がして、中に入っているものが何なのか分からせる。

「あけていい?」
「・・・あぁ」
「もちろん」

 ウィンリィが聞くと、二人が声を合わせていった。

「・・・そういえば、兄さん何買ったのか言ってくれなかったよね。何にしたの?」
「・・・言いたくない」

アルは不思議そうに兄を見る。

「・・・・・・ぷっ」

箱を開けて、ウィンリィは少し笑った。

「どうしたんだ」
「どうしたの?」

また二人が声を合わせた。

「二人とも同じの買ってる」

ウィンリィは目に涙をためながら笑っている。

「・・・・・・」
「・・・え・・・」

二人とも呆然とした。
 それからしばらくはウィンリィの笑い声が消えなかったという。




fin
フフフ・・・これも悲惨ですな。

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