今日は特別。
* sweet valentine *
「ただいま、ばっちゃん」
「エドかい、おかえり。・・・また腕壊したのかい。懲りない奴だね、この豆は」
「何だと、ミジンコばば!!」
「まあまあ。せっかく帰って来れたんだから」
睨み合った状態のエドとピナコを横で聞いていた鎧姿のエドの弟、アルが静止する。
「エドーーーー!!」
「がっ!」
やっと落ち着いたエドの後頭部に二階のベランダから覘く15歳くらいの少女によって投げられたスパナが当たった。
「まーた腕壊してきてー!!何回壊すなって言ったら分かるの!!この豆!!」
「ウィンリィ!!殺す気かよ!!豆言うな!!」
頭を押さえたエドがベランダに居るウィンリィと呼んだ少女に言った。
「何回だって言うわよ。この豆!!」
「だから豆言うなって言ってんだろ!!」
ベランダと外の玄関先で大声の二人。アルは呆れて止めに入る。
「まあまあ、兄さん。そのぐらいにしときなよ。腕壊した兄さんも悪いんだから」
「そうよ」
「・・・・・・・・・」
アルとウィンリィに組まれるとどうしようもないエド。
「・・・おかえり、エド、アル」
「・・・おう」
「・・・ただいま、ウィンリィ」
今さっきの喧嘩はどこへ消えたのか。ウィンリィとエドとアルは、笑いながら言葉を交わした。
ピナコはそんな三人を寒くなってきたからと家の中へ入れる。
「にしても・・・こうもまた粉々に・・・」
「・・・あ、ウィンリィ」
「ん?」
「今回そんな急がなくていい。ゆっくりして行くから」
エドがそういうと、ウィンリィはきょとんとしてエドを見る。
「何だよ」
ウィンリィがきょとんとエドを見ているので、エドは少し照れたのか不機嫌そうになる。
ウィンリィはすぐにはっとしてエドをまた見る。
「ううん。じゃ、一週間くらい居るの?」
「あぁ」
ウィンリィは少し嬉しそうに微笑む。
「それと、足の調整もしてくれねぇか?」
「足の?痛むの?」
「違う。なんか歩きにくい」
エドがそう言って立ち上がると、少しよろめいた。なんとか体勢を立て直して立つと、少しからだが斜めに傾いてた。
「背、伸びてるからじゃない。傾いてるし」
「何!?俺の背が伸びてる?!」
エドは気が付いていなかったらしく、今までずっとこのままで帰ってきたらしい。
「・・・豆でも伸びてるのね」
「豆言うな」
ウィンリィは、少し憎まれ口を言う。エドはすかさず返して、また座り込む。
「・・・はい、足伸ばして」
ウィンリィに言われて、足を伸ばす。見ると、機械鎧[オートメイル]と足の長さが3cmほど違う。
ウィンリィも、エドも少し唖然とする。
「エド、前帰って来たのいつ?」
「・・・三ヶ月位前」
「・・・そんなに短かったっけ」
こんなに伸びているとも知らずに居たのだから当然なのかもしれない。が、どう見ても大げさだ。
「・・・もしかして、この頃、関節痛かったりした?」
「・・・あぁ。それが?」
「・・・それ、成長痛・・・」
「伸びてきてるって事?」
「そう」
ウィンリィは呆れ果てながらエドの聞く事聞く事に答える。エドは、まだ少し状況が飲み込めていないようで、考え込んでいる。
「・・・とにかく、エドがちょっと遅い成長期に入ったって事」
ウィンリィが、立ち上がって腰に手を当てる。ウィンリィの後ろに居たアルがエドの傍に来て言った。
「良かったね、兄さん。身長伸びるみたいで」
アルが言うと、エドは嬉しそうに返事をする。
「けど、一ヶ月に一度位ここに来ないといけなくなるけどね」
「いいよ、それでも。・・・ウィンリィの背より高くなるかな。この分だと」
エドはウィンリィの顔を見て不敵な笑みを浮かべる。
「どうだか」<
ウィンリィはため息混じりの声で言う。
「・・・あ、エド。忘れそうだから先に渡しておく」
ウィンリィが何か思い出したようにポケットの中を探す。
「・・・あったあった。はい。アルも」
「ありがとう、ウィンリィ」
「そういや、今日バレンタイン・・・って、何でウィンリィから?こっちでは男からだろ。普通」
「日本って所では女の子かららしいの。それで[たまにはそれでもいいかな]って」
「ふーん・・・」
エドが綺麗にラッピングされたシンプルな包みを眺める。
「楽しみにしてるから」
「何を」
「ホワイトデーに決まってるじゃない」
にっこりと笑いながらウィンリィはエドとアルの顔を見る。
「・・・あのな、ウィンリィ。チョコ一つにそんな高いもの買えな・・・」
「楽しみにしてる」
「・・・努力します・・・」
エドは小さな声でそう言った。
fin
見返して叫んだ物です。
泣きそうだよ。この文章力のなさは。
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